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2014年5月27日

リサイタル~「調性」について~

 

 5月20日に南麻布セントレホールにてリサイタルをさせていただきました。

ある音楽が人の心の琴線に触れる時、そこには様々な形で調性の力が及んでいます。調性から豊かなインスピレーションを得た作曲家たちがそれぞれ、そこからどのような言葉を生み出し、何を表現しようとしたのかを考えて、今回のプログラムを組みました。(プログラムノート掲載)。

「調」という枠があることによって、その中で精神的な自由を得ることができ、私にとって新しい発見に満ちた演奏会となりました。プログラムの曲すべての起源となるバッハの偉大さ、シューベルトの心の儚さ、ベートーヴェンの音楽の綿密さと豊かさを、そして、ショパンの24曲の前奏曲が持つ大きなエネルギーと精神性の高さを、改めて想いました。また、これらの曲が、常に演奏家に豊かなインスピレーションを与える、懐の深い素晴らしい作品であることも実感しました。

ご来場くださった皆様に心より感謝申し上げます。

 

2012年2月28日

リサイタル~「形式と自由」~

 

 2月24日にカワイ表参道のコンサートサロン・パウゼにてリサイタルをさせていただきました。

音楽において、「形式」は知性と堅牢性、過去への繋がりを、「自由」は豊かな情緒と魂の解放、未来へのロマンを意味します。作曲家がそれぞれその中で、何をどのような方法で語ろうとしたのかを考えて、今回のプログラムを組みました。(プログラムノート掲載)。

豊かな深い内容を持つ3つの大曲を皆様と共有するひと時の中で、理性と情感が美しく融合されたベートーヴェンとバッハ=ブラームスは、 知性や感情表現を超えた「精神的」な音楽であることを、そして、人間の複雑な情緒とその極限が表現されたシューマンは、霊感に満ちた音楽であることを実感し、改めて曲の偉大さを想いました。

会場に足をお運びくださった皆様に心より感謝申し上げます。

2011年12月6日

リサイタル~「悲劇」について~

 

 11月29日に代々木上原ムジカーザにてリサイタルをさせていただきました。

苦悩、葛藤、情熱、神秘、そして救いという、ギリシア悲劇の時代から受け継がれている西洋の永遠のテーマをもとに、今回のプログラムを組みました。

スクリャービンからショパン、そしてモーツァルトとベートーヴェン、と時代をさかのぼる

ように演奏させていただきながら、プログラムが進むにつれてよりシンプルで普遍的な、本質へと辿りついて行く感覚を持ちました。それぞれの作曲家の残した楽譜に対して出来る限り誠実に向き合い、それぞれの表現方法の違いと、「悲劇」のもつ普遍性の両方を同時に追求していく演奏会となりました。

会場に足をお運びくださった皆様に心より感謝申し上げます。

 

2011年4月23日

リサイタル ~「二面性」~

 

4月20日にカワイ表参道のコンサートサロン・パウゼにてリサイタルをさせていただき

ました。

今回は「二面性」をテーマにプログラムを組みました。相反する二つの世界の中から

生まれるのが私達の人生であり、その在り方は音楽の中にも映し出されています。

両極端の世界の分離、両立、相互関係、融合、そしてその先・・・という道のりを辿って

作品に向き合うひと時を皆様と共有させていただきました。(プログラムノート掲載)

どれも知的に構成されつつ、情感に強く訴える力を持った作品であり、またそれぞれ

独自の世界観を持つ作曲家に共感し、寄り添った表現が必要な作品でした。

これらの多彩な曲の数々を同時に研究すること、そして演奏させてただくことは、

音楽家として、そして人間として成長していくうえで、非常に大きな意味を持つ

経験となりました。

会場に足をお運びくださった沢山のお客様に心より感謝申し上げます。

 

 

 

2011年3月17日

チャリティーコンサート ~「音楽を通して人生を考える」~

 

 この度の東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

3月13日に愛知県瀬戸市の瀬戸サレム教会にてチャリティーコンサートを行いました。震災直後 でしたが、だからこそ、と、沢山のお客様が募金に協力してくださり、中日新聞社を通して 全てを被災者支援のための義援金として送らせていただきました。

 

コンサートでは「音楽を通して人生を考える」というテーマを掲げてプログラムが組まれ

ました。「愛情、情熱、不安、死、希望」というような、人間が生きていくうえで必ず考えなくてはならないことを、作曲家が音楽のなかでどう表現し得たのか、まず家田堯氏に解説していただき、私が演奏しました。

普段行われるリサイタルとは一味違ったものになりましたが、音楽の本質を真摯に

そして分かり易く伝える、大変貴重な機会となったと思っています。

 

震災への不安と心配のなかで、瀬戸市の皆様、教会の皆様が心を一つに 音楽と向き合ってくださったことに感激いたしました。ありがとうございました。

また、このような時だからこそ、生きている私達が感じ考えることを、音楽は全て受け入れてくれる包容力のあるものだと改めて思いました。

 

 

2011年2月1日

ミニコンサート

 

1月29日に所沢、30日に池袋のヤマハにて、ミニコンサートを行いました。

休憩なしのプログラムで、ショパン、シューマン、 ベートーヴェン、リストの曲の演奏

に加えて、イタリアの各地でのコンサートのエピソードも間で少しお話ししました。

週末ということもあり、小さいお子様からお年寄りの方まで幅広い世代の方々がご来場

くださり、 皆様と音楽と共に、素敵な楽しい午後のコンサートとなりました。

また沢山の方がアンケートにメッセージを書いてくださり、とても嬉しく拝読いたしました。

今後の大きな励みとさせていただきます。

どうもありがとうございました。

 

2011年1月1日

新年

 

明けましておめでとうございます。

 

昨年は、活動の拠点を日本に移し、初CDをリリースするという、私にとって節目となる出来事のなかで成長することの出来た、充実した年でした。支えてくださった皆様に心から感謝しております。ありがとうございました。

 

自分より大きな存在である偉大な作曲家の作品のなかに身を置くことによって、人間の普遍的な精神・感情・理性などを主観的にも客観的にもより深く感じ、考え、伝えることが演奏家の役目であると思っています。長い間生き続けてきた作品の本質的な部分を皆様と共有出来るよう、演奏はもちろん、プログラムや企画としても可能な限り考えていくつもりです。

音楽のなかで、一人でも多くの方と心が通い合えたら幸いです。

 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

2010年12月22日

クリスマスコンサート ~「愛について」~

  

  横浜市の青葉台フォーラムにてクリスマスコンサートを行いました。

クリスマスは、たくさんの人々を幸せな気持ちにする力を持っています。それは「愛」について想いを巡らせる日であるからではないでしょうか。

今回は音楽の中で人間の「愛」がどう表現されているか、ということをテーマに、トークを交えてのコンサートとなりました。シューマンの若く情熱的な恋愛、ブラームスの成熟した大人の愛、シューベルトの人間愛、ショパンの祖国愛・・・サロン風の素敵な部屋で、皆様を間近に、音楽への愛を感じながら演奏させていただきました。

いつも温かく応援してくださる皆様には、心から感謝の気持ちで一杯です。

ありがとうございました。

 

 

2010年10月25日

母校でのコンサート

 

私の母校である、横浜市の鴨志田緑小学校でコンサートを行いました。

ショパン、シューマン、リスト、ラフマニノフの作品を、間でトークを交えながら、全校生徒

と保護者の皆様の前で演奏しました。

 

クラシック音楽の本質は普遍のものであり、また、私の音楽に対する想いは、小学生の

子供達にでも感じ取ることが出来るシンプルなものから生まれていると思っています。

一曲一曲の私の真剣な演奏と、少しのお話しに対して、きらきらした目の輝きと集中力で

答えてくれた子供達、そして企画してくださった先生方に、心から感謝いたします。

 

明るい未知の未来を持つ子供達と音楽を共有出来る機会に、これからも是非かかわっていけたら嬉しいです。

 

2010年9月20日

デュオリサイタル終了 

   

9月11日の京都、17日の横浜でのデュオリサイタルをたくさんの方に聴いていただくことが出来ました。会場に足を運んでくださった皆様、応援してくださった方々、

どうもありがとうございました。 

 

4年前にイタリアで室内楽の素晴らしさを初めて知って以来、いつか日本でコンサートを企画したいと夢見ていました。と同時に、せっかくするのならば、一時の気まぐれに組んだものではなくて、それぞれの音楽家が誠実に一つとなってより深い音楽を追及したものを聴いていただきたいと思っていました。

今回その機会をもつことが出来たことはとても嬉しく、支えてくださった皆様に心から

感謝の気持ちで一杯です。

 

 

 

 

2010年7月22日 

デビューCD発売 

 

私の初CDが発売開始されました!

 

私にとってショパンとシューマンは、その作品を長く弾き続けてきても決して色褪せることのない、むしろ年齢と経験を重ねるごとに、一曲一曲、そしてその中のある部分や一瞬のなかで、彼らの作風とその裏に見える心情に深い共感を持つようになってきた、特別な作曲家です。

生誕200年の記念の今年に、私の人生の中で記念となるべきデビューCDをリリース出来たことをとても嬉しく思います。

 

「Side by Side」とは、この二人の作曲家が同じ時代を生きたこと、そしてショパン、シューマンそれぞれの人生のなかでの大切な出来事、強い想いのなかから寄り添うかのように生まれた作品であること、そしてそれらの作品や、彼らそれぞれの人生に私自身を重ねて共感して演奏したことに由来します。

 

皆様ひとりひとりの心にこの音楽が寄り添うことが出来れば、これほど嬉しいことはありません。

 

詳しくはこちら>> Disc